Kaneda Mio


個人的なところから

もう、ここに無いのに存在するもの。
いつも見えないのにあるもの。
時の残した痕跡を辿り、消さずに、大切にゆっくり追いかけます。
痕跡に残された悦びや、せつない記憶が、使ってきた時間の表れとなって
次の日から起こるものごとへの貯えとなり、力のひとつとなっていくでしょう。
毎日の淡々としたできごとは、そのひとつひとつが密やかな力で支え合って、
その一日を、その人を作り上げていきます。時に日々を案じることとなり、
また、思わぬ善き結果を招くこととなります。
私たちは何を大切なものとするのか選ぶことができるのです。
あたりまえすぎて見えにくい、いつもの時間のなかに
多くの始まりと終わりがあります。
見過ごされがちな存在に秘められた、しなやかな強さを呼び覚まし、
すべては個人的なところから始まります。


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