Kaneda Mio


紡ぎゆく日々

濁った闇に引き込まれ、闇に捕らえられる。
自分の形を見失う。
闇の傷みを振り払おうと懸命に手足を動かす。
抗えず、やりきれない思いが体中に絡まる。
沈黙に身を沈める。

おそれと希望はその世界の行く先に小さな点滅を見いだす。
目の前の真実はいつも新しい場面を暗示する。

薄墨時、夜が少しづつ積もる。
その暗闇は明日の日を迎える休息へと変わる。
力を充たす時間となる。
沈黙する冬の寒枝は力を蓄え、日射しの方向をさす。
固い新芽は春へのたくましさに満ちる。

沈黙と目覚め、
必要なのは、今、息をするということ。
この時間を紡ぎゆくこと。


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