Kaneda Mio


線を引く

つよく引く、よたよたと頼りなく引く。
指に力が入る。
指に力が入らない。
手が痛くなるくらい鉛筆をつよく握る。
手首を挫くほどつよく引っ掻く。

私がどのような状態でもたいてい線を引くことができる。
それは生理的な活動とも関係して
道具と自分との距離とも関係する。
弱々しい線にも、跡がつくほどきつい線にも、
存在した、多くの条件と状態と物理の問題が関係してくる。
同じ線は引かれることはなく、似たような線が引かれることはある。
あらゆることを考えながら、あらゆることから離れながら
線を引く。


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