Kaneda Mio


夜と噴水

夜、人も生き物も社会も、少し休んで力を蓄える。
人は眠り、生き物は休み、闇がそれらを包むが、
その日は終わるのではなく
続く世界へ向けて力を補充し積み上げる。

冬が終わったある朝、
公園の噴水がしぶきを放って高々と水を吹き上げている。
緩んで不意に水位が下がったり、
力づよく思い切り高く持ち上がったりする。
絶え間なく、水が力と意志を持って動きまわる。

闇の時間を守る夜の充足。
日々をうごめく水の形。
私たちは充分に力を満たして進もうとする。


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